マドリードのパラパラ雨

Text: Keiko Higashi

そろそろ雨が降る頃だろう、そう思っていつも傘を持ち歩いていたのに、晴れ続きでついうっかり油断して、家に置いて出たとたん突然の雨に降られるという不条理。

同時に気温も急降下で寒いのなんの。ここ2、3日、風邪でみんなバタバタやられてるし、ついに冬はその威力を発揮してきた様子。

まあしょうがない。でも、暖房の効いた部屋にこもるより、心は晩秋、なんだかまだ、外が名残惜しい。

家に戻り、傘を持って再び街に出る。差したら止んで、止んだら差すのパラパラ雨。マドリードらしいね。目を射るような青い空が自慢のこの街の、どんよりした色も、それはそれで時にはホッとする。風に吹かれて飲むコーヒーも、温かくておいしい。

王宮沿いの道
サバティーニ庭園はいつも静か
重厚なドア。中はどうなってるのかな
寒さにもメゲない短パンくんと、雨でもお洒落な男の子二人。道路の向こう側には赤いコートに青い傘の女の子。