ラストロの蚤の市 〜El Rastro

パリやロンドンにも有名な蚤の市がありますが、ここマドリードの蚤の市ラストロ(El Rastro) も、人気観光スポットの一つとなっています。

(C) Keiko Higashi

また、ヒターノたち(スペインに住むロマ民族) には古物商を生業にする者が多く、この地域は有名なヒターノ地区でもあり、ラストロ最寄り駅ラ・ラティーナ、東のアントン・マルティン駅、北のソル駅を結んだ三角地帯が、マドリード・フラメンコのメッカなのです。

フラメンコスタジオ「アモール・デ・ディオス」、タブラオ「カサ・パタス」、フラメンコ公演が多いヌエボ・アポロ劇場などの他、フラメンコバルやショップなど沢山あります。

フラメンコ・ダンサーとヒターナの恋を描いたチュス・グティエレス監督映画「アルマ・ヒターナ (alma gitana)」(1996) の舞台にもなりましたが、あの映画はなんか青春って感じで、当時のマドリードの雰囲気が良く出ていました。

Alma gitana 1996

Alma Gitana 映画 https://www.facebook.com/379442625552723/videos/1771850769577548/

Alma Gitana トレーラー https://youtu.be/qhAWShvbrOc

そしてここは、私にとってもとても馴染み深い場所。私のスペイン生活の原風景でもあります。

スペインの土を踏んで最初に居を構えたのがここでした。もちろん、フラメンコの強烈な洗礼をここで受けたこともありますが、私はもともと古着やアンティークが好きで、マドリードに住む前ロンドンにいた頃も、家の近くのカムデン・マーケットが私の行きつけだったので、ここラストロの雰囲気にはとても親しみを覚えました。

(C) Keiko Higashi
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(C) Keiko Higashi

蚤の市と言っても、ガラクタっぽいものを売る場所と、ちゃんと価値がある物をセレクトして売る所で別れているんですが、ガラクタから価値ある物を探すのもまた楽しいものです。

私は1950~60年代の物が好きで、ロンドンにいた頃はまだ沢山出ていて、しかもアンティーク業界の人たちは100年を過ぎないと「アンティーク」とは呼ばないので、彼らにとっての「ニュー」は、割と安価に売られていました。古いリーバイスのジーンズなんかも沢山ありましたね~。

(C) Keiko Higashi

ただ、古着を着て、お部屋を飾って楽しんでる分には良いんですけど、段々物が増え、しかも将来価値が上がるだろうと思って手放せなくなり、ましてや捨てるなんて滅相もないという展開になってしまうので、これは本当に厄介な趣味なんですよね。

で、スペインへの移住を機に、ガラクタ市で5ポンドぐらいで買った私の戦利品・モダンな柄で一見現代物と勘違いするスージークーパーの無傷のコーヒーセットを、アンティークショップに170ポンドで売って、他諸々を泣く泣く手放して、この趣味に終止符を打ったのでした。

(C) Keiko Higashi

ところが、マドリードに着くやまたもやスペインでも有数の蚤の市の徒歩距離に住んでしまい、危うくまた沼にはまりそうになったところ、鉄の意志で踏みとどまったのでした。

でもやっぱり、行くと血が騒ぐんですよね~。ここ10年程でラストロは物凄くお客さんが増えてしまい、私は遠くへ引っ越したのも手伝い足が遠のいていたのですが、やっぱり行くと楽しい!

(C) Keiko Higashi
(C) Keiko Higashi

ラストロは日曜・祝日の9時~14時ごろに開かれますが、お昼時が一番混雑するので、早めに行くのをおススメします。アンティーク・古いガラクタ・新しい日用雑貨・インテリア雑貨に分かれ、カスコーロ広場(Plaza de Cascorro) から南に下るリベラ・デ・クルティドーレス通り(Calle de la Ribera de Curtidores) を中心に広がっています。

最近はバルやカフェ、レストランもオシャレな所が増えているので、お買い物の後はぜひランチも楽しんでくださいね。

ただすごく混雑するので、貴重品は肌身離さず、携帯電話での自撮りもほどほどに!

動画: ラストロ(El Rastro)

(C) Keiko Higashi