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フレンチトーストに一線を画す、トリーハ!

見た目は豆腐の厚揚げ。でも口に入れると、とろ〜りとろける絶品スィーツに大変身。

スペインならではのスィーツって、そのほとんどがカトリックの行事に因んだものですが、毎年3月末ごろに行われる聖週間に食べられるのが、このトリーハ (Torrija) です。

2018年の聖週間 (c) Keiko Higashi

硬くなった残り物のパンを美味しく食べれるようにと生まれたこの家庭料理。ウィキペディアでは、まんま「フレンチトースト」扱いされていますが、いやいや、一緒にしてもらっては困ります。15世紀から食べられているトリーハには、スペインらしい独特の風味が満載なのです。

レシピは地域によって若干の違いがありますが、大きく分けるとこの2つ。

A: スライスしたパンを牛乳と溶き卵にくぐらせ、油で揚げ、仕上げに砂糖とシナモンを振りかけるもの。

Aタイプレシピ動画

B: 牛乳ではなくワイン、溶き卵にくぐらせ、揚げた後、蜂蜜のシロップに浸して仕上げるもの。

Bタイプレシピ動画

アンダルシア地方はBのタイプが主流で、ヘレスではワインにシェリーやマンサニージャを混ぜたりするみたいですね。おしゃれ〜。

パンは、トリーハ用と言う、一般的なトースト用のパンよりもっと身が詰まったパンが売られているようですが、そうでなければ棒状のパン? をスライスして使います。

油はオリーブオイルを使うのが一般的。プロになると、レモンの皮、シナモンステックなどを入れたミルクを使用し、より風味を出す工夫をするようです。

オリーブオイル、シナモン、レモン、蜂蜜、そしてワインとくれば、正にスペインの味のオンパレード! そして近年ではクリームやチョコレートでパワーアップした斬新なトリーハもテーブルを飾っています。

プロっぽいトリーハ

発展系トリーハ 〜 ヘレスより

Torrijas (c) Keiko Higashi

で、私はと言うと、やっぱり家庭的なもので、蜂蜜仕上げより砂糖とシナモンを振ったAタイプの方が好きかな〜。

口に入れると、中はまるでカスタードクリームの様に甘くとろけ、揚げてある外側は芳ばしい上に、噛むとシナモン風味のザラメがジャリジャリして、食感のコントラストが絶妙。何枚でも行けてしまう!

ビーガンに励んでいる私には、普段は食べない食材だらけのトリーハですが、聖週間ぐらい解禁しようじゃないの!この美味しさに、負けた!